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科目名 医薬特許要論(前半)【MR】 
科目名(英字) Basic Study of Pharmaceuticals and Intellectual Property 
ナンバリング MPCB24 
年次 1年次 
単位数
期間 後期(前半) 
担当者

箱田 聖二(ハコダ セイジ)




授業のねら
い・概要
医薬品に特有な特許戦略を実務的な観点から習得する科目です。企業人として求められる特許実務の基本的知識と能力および姿勢を、バイオ技術を含む医化学系分野を通して学びます。 
授業計画
テーマ 内容・方法等 予習/復習
第1回 (1) ガイダンス
(2) 医薬品企業と特許戦略 
(1) 授業の目的・進め方および評価方法について説明する。
(2) 医薬品に関する基礎知識、医薬品分野と他の技術分野と比べた特徴、医薬品の特許保護の必要性、特許戦略の主な狙い、特許戦略を左右する要素、特許戦略の策定時期、特許戦略策定に必要な情報、特許戦略の種類、そして医薬品企業の発展に必要な各特許戦略を解説する。 
・事前に資料に目を通し、解らない用語等を調べること(120分間)。
・講義内容で重要と考える事項をまとめること(120分間)。 
第2回 出願戦略  研究開始前の検討事項、パテントマップの必要性、研究開発の文献調査、発明完成有無と特許出願要否の検討時期、特許出願要否の判断、ノウハウ技術と特許出願の選定、特許出願の最適な時期、特許出願の目的、外国出願を含む特許出願の要否の判断などの特許戦略(出願戦略)を解説する。  ・事前に資料に目を通し、解らない用語等を調べること(120分間)。
・講義内容で重要と考える事項をまとめること(120分間)。 
第3回 「特許請求の範囲」記載の留意点  医薬分野における特許請求の範囲(クレーム)の対象、クレーム作成の基本事項、公知技術と発明の境界、独立項と従属項、従属項の役割、多数項引用形式の請求項、独立項および従属項記載の留意点、実施例とクレーム用語との関係、クレーム記載の要点と均等論の関係、「プロドラッグ」クレームに関する基本的実務知識を解説する。  ・事前に資料に目を通し、解らない用語等を調べること(120分間)。
・講義内容で重要と考える事項をまとめること(120分間)。 
第4回 「明細書」記載の留意点  明細書の意義、明細書の記載項目、各項目の記載における留意点、記載の程度、他社の権利化阻止のための明細書記載、模倣品排除のための明細書記載、広いクレーム範囲確保のための明細書記載、他社にライセンス・アウトするための明細書記載、製品寿命延長のための明細書記載に関する基本的実務知識を解説する。  ・事前に資料に目を通し、解らない用語等を調べること(120分間)。
・講義内容で重要と考える事項をまとめること(120分間)。 
第5回 記載不備  特許請求の範囲の記載不備、実施可能要件に関する判決の紹介に基づく明細書の記載不備、特許請求の範囲記載に使用する用語および明細書、特に実施例の記載における実務上の注意事項について解説する。  ・事前に資料に目を通し、解らない用語等を調べること(120分間)。
・講義内容で重要と考える事項をまとめること(120分間)。 
第6回 「製剤」特許戦略  製剤発明の把握、出願戦略、分類(種類)、新規性(成分、構成、外型に基づく特徴)の主張点、進歩性(予想外の効果)の主張点、および製剤特許の役割と戦略的な活用について解説する。  ・事前に資料に目を通し、解らない用語等を調べること(120分間)。
・講義内容で重要と考える事項をまとめること(120分間)。 
第7回 選択発明  医薬特許における選択発明の考え方および事例、選択発明の一種である数値限定発明について解説する。  ・事前に資料に目を通し、解らない用語等を調べること(120分間)。
・講義内容で重要と考える事項をまとめること(120分間)。 
第8回 (1) 特許権の存続期間延長
(2) ライフサイクルマネジメント 
(1) 特許権の存続期間について日米欧の概要、延長登録出願に必要な書類とその記載内容について解説する。
(2) 新薬が出にくくなっている現在、製品の寿命を延ばすライフサイクルマネジメントの重要性が益々高くなってきている。ライフサイクルマネジメントの実態と特許戦略、およびジェネリック医薬との関係について解説する。 
・事前に資料に目を通し、解らない用語等を調べること(120分間)。
・講義内容で重要と考える事項をまとめること(120分間)。 
到達目標
医薬品特許実務の基本的知識と能力の習得を通じて、企業発展に貢献できる知財人になる事を到達目標とします。
具体的には、下記(1)を最低限の到達目標、(2)を上級の到達目標、とします。
(1) 医薬品の特許明細書・請求項に関する留意点を説明できる。
(2) 医薬品の特許戦略を説明できる。 
評価方法
・到達目標(1)および(2)に対する課題への対応(レポート)で評価します。レポートは100点満点で(1)60%および(2)40%の配分で評価します。
・レポート課題は第7回授業終了時に提示し、その模範解答はフィードバックします。
・面接授業:レポートで評価します。
・メデイア授業:レポートで評価します(毎回、視聴確認課題を課します)
・無断欠席3回以上で、レポートの成績にかかわらず不合格(0点)とします。 
成績評価
基準
評価方法に基づき採点を行い、以下の成績評価とします。
A:90点以上。
B:80点以上90点未満。
C:70点以上80点未満。
D:60点以上70点未満。
F:0点以上60点未満。
(注)評価の結果は、「A」~「D」を合格、「F」を不合格とします。 
教科書
書名 著者名 出版社名
1. テキストを事前に配付します     
参考書
書名 著者名 出版社名
1. 改訂10版 化学・バイオ特許の出願戦略     
受講心得
・わからない点は、授業中あるいは授業後に積極的に質問して下さい。また、特許の基礎知識を有している事を前提に講義を進めますので、これまで学んできたことを復習しておいて下さい。
・本教科はメディア授業の対象【MR】です。

※状況により授業形式を双方向メディア授業(MS)で行う場合があります。 
オフィス
アワー
・授業終了後、あるいはGoogle Classroomで対応します。 
実践的教育
【実践的教育】バイオ関連の研究経験と知識、低分子医薬品およびバイオ医薬品の特許出願・権利化、権利侵害への対応等の業務経験を持つ教員が、その知識を活かして医薬品に特有な特許戦略を実務的な観点から講義します。