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科目名 意匠法特論【MR】 
科目名(英字) Advanced Study of Design Law 
ナンバリング MPCB03 
年次 1年次 
単位数
期間 後期 
担当者

伊藤 宏幸(イトウ ヒロユキ)




授業のねら
い・概要
 意匠法要論における学習内容を前提に、意匠事件の基本的判例を検討し、判決(毎回1つか2つ程度)を通じて意匠の本質とは何かという視点を理解し、諸々の問題にも対処できるようにする。 
授業計画
テーマ 内容・方法等 予習/復習
第1回 意匠制度(意匠審査と審判)  意匠法要論を踏まえ、意匠法の審査・審判、及び裁判の事例から、意匠制度の実務について理解を深める。  予習:意匠法要論の復習
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第2回 意匠の判断主体と意匠の定義  意匠の判断主体と意匠の定義について裁判例をもとに検討する。

・知財高裁平成17年(行ケ)10679号「コネクター接続端子」事件 
予習:知財高裁平成17年(行ケ)10679号「コネクター接続端子」事件の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第3回 意匠の判断主体と要部認定  意匠の判断主体と要部認定について裁判例をもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・平成19年(行ケ)10402号審決取消訴訟「短靴」事件 
予習:平成19年(行ケ)10402号審決取消訴訟「短靴」の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第4回 意匠の認定(1)  意匠の認定について裁判例をもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・東京地裁平成18年(ワ)13406号及び控訴審平成18年(ネ)10084号「ゴルフ用ボールマーカー」事件
・【特許からの出願変更】知財高裁平成21年(行ケ)10208号「ゴルフボール」事件 
予習:検討対象判例の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第5回 意匠の認定(2)(部分意匠における破線部の認定)  部分意匠における破線部の認定について裁判例をもとに検討する。

・知財高裁平成18年(ケ)10317号「プーリー」に見る部分意匠の認定 
予習:知財高裁平成18年(ケ)10317号「プーリー」の概要把握
復習:授業のの要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第6回 意匠の新規性と類否判断(1)(物品の類似等)  意匠の類否判断について裁判例をもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・【物品】知財高裁平成17年(ネ)10079号「カラビナ」事件
・【物品】東京地裁平成18年(ワ)19650号「増幅器付スピーカー」事件 
予習:検討対象判例の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第7回 意匠の新規性と類否判断(2)  意匠の類否判断について裁判例をもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・【機能的形態】東京地裁平成11年(ワ)13242号「ラック用カバー」
・【物品の部分の機能の認定】知財高裁平成27年(ネ)1077号意匠権等侵害差止請求事件「包装用箱」事件
・【禁反言】大阪地裁平成21年(ワ)2726号意匠権侵害差止訴訟「長靴」事件 
予習:検討対象判例の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第8回 意匠の新規性と類否判断(3)(部分意匠:形態の認定等)  新規性判断における部分意匠の形態の認定について裁判例をもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・【物品の部分の範囲】大阪地裁平成20年(ワ)14302号「マンホール蓋用受枠」事件
・【要部認定と関連意匠】大阪地裁平成14年(ワ)第8765号 「輸液バッグ」事件
・ 【公知意匠と意匠全体の要部認定】知財高裁平成23年(行ケ)10051号「空調装置用膨張弁」事件 
予習:検討対象判例の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第9回 意匠の創作非容易性(1)  創作非容易性について裁判例をいもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・【基本】最三判(昭和45年(行ツ)45号「可撓性伸縮ホース」
事件
・【独創性】知財高裁平成19年(行ケ)第10209号、同第
10210号「包装用容器」事件 
予習:検討対象判例の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第10回 意匠の創作非容易性(2)  創作非容易性について裁判例をいもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・【着想の独創性】知財高裁平成29年(行ケ)第10181号「箸の持ち方矯正具」
事件
・【軽微な改変】知財高裁平成21年(行ケ)第10209号 「貼り薬」事件
・知財高裁平成30年(行ケ)10181号「検査用照明器具」事件 
予習:検討対象判例の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第11回 一意匠一出願  一意匠一出願について裁判例をもとに検討する。

・知財高裁平成28年(行ケ)第10034号「容器付冷菓」事件 
予習:知財高裁平成28年(行ケ)第10034号「容器付冷菓」の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第12回 意匠の分割・補正  意匠の分割について裁判例をもとに検討する。
①知財高裁平成18年(行ケ)第10136号「ピアノ補助ペダル」事件
②知財高裁平成19(行ケ)10321号「包装用袋」事件

拒絶査定不服審判2016-16743「ガス検知器用検査機」と査定不服審判2016-16744「ガス検知器用検査機」に見る関連意匠の評価 
予習:①「ピアノ補助ペダル」事件、及び②、平成19(行ケ)10321号「包装用袋」事件の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第13回 意匠の先使用権・独占的通常実施権  意匠の先使用権・独占的通常実施権について裁判例をもとに検討する。

①【先使用】大阪地裁平成10年(ワ)11674号「包装用かご」事件
②【独占的通常実施権】昭和57年(ワ)7035号意匠権民事訴訟「ヘアブラシ」事件 
予習:①大阪地裁平成10年(ワ)11674号「包装用かご」事件、②昭和57年(ワ)7035号「ヘアブラシ」事件の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第14回 意匠権の侵害(意匠の実施)  意匠の「実施」について裁判事例をもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・【外観にあらわれない部品】東京地裁平成16年(ワ)793号「プリント配線板用コネクタ」に見る意匠の利用
・【要部認定】平成26年(ワ)33834号意匠権侵害に基づく差止訴訟「バリケード用錘」にみる意匠権の侵害 
予習:検討対象判例の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
第15回 意匠権の侵害(間接侵害・損害額等)  意匠権侵害事件に見られる間接侵害や損害賠償について裁判事例をもとに検討する。
・裁判例については、前週の授業で提示する。
(参考)
・【部分意匠の寄与率】大阪地裁平成16年(ワ)6262号「化粧用パフ」事件
・【間接侵害】東京地裁平成28年(ワ)年13870号「運搬台車」事件 
予習:検討対象判例の概要把握
復習:授業の要点整理作成
(予習、復習で180分) 
到達目標
 意匠制度の実務と活用に関し、判決を通じて意匠の本質とは何かという視点を理解し、実務上の諸々の問題(意匠の特定、新規性(類否)判断、創作非容易性判断、侵害)の基本的な対処ができるようになることを目標とする。(ミニマム・リクワイアメント)
(1)意匠の成立要件を理解し、説明することができる。
(2)意匠法上の新規性及び創作非容易性について理解し、説明することができる。
(3)意匠の特定、認定について理解し、説明することができる。
(4)全体意匠、平面物、部分意匠の類否判断に関する代表的な判決を理解し、様々な意匠の類否判断について説明することができる。
(5)一意匠一出願についての代表的な判決を理解し、一意匠一出願の考え方について説明することができる。
(6)本意匠-関連意匠が争われた事件を理解し、意匠の類否判断の手法について説明することができる。
(7)意匠の先使用権や通常実施権に関する代表的な判決を理解し、意匠の先使用権や通常実施権について説明することができる。
(8)登録意匠の範囲、他の権利との利用・抵触に関する判決を理解し、登録意匠の範囲、他の権利との利用・抵触について説明することができる。
(9)意匠権の間接侵害に関する代表的な判決を理解し、意匠の間接侵害について説明することができる。 
評価方法
・出席率80%以上(12回以上)の出席を単位付与の条件とする。なお、出席は、教員による出席確認と復習シートの提出の両方が一致した場合を出席とする。また、やむを得ない理由による欠席は復習シートの提出によって考慮する。
・学業成績の評価は、基礎・基幹科目のため基本的には、報告発表、復習シートの提出、期末レポートの成績により行う。
・期末のレポートの提出日、テーマ等については、提出の2週間前までに連絡する。 
成績評価
基準
 意匠制度の実務と活用に関し、実務上の基本的な対処ができるようになっているかについて、平常点、報告発表、復習シートの提出、期末レポートで評価し、それぞれ60%以上で合格とする。
報告発表10%、復習シート20%、期末レポート70%
A:100~90点
B:89~80点
C:79~70点
D:69~60点
F:59~0点 
教科書
参考書
書名 著者名 出版社名
1. 商標・意匠・不正競争判例百選(第2版)  茶園成樹・田村善之・宮脇正晴・横山久芳編  有斐閣 
2. 早わかり意匠判例集侵害編  佐藤英二  日本評論社 
3. 意匠審査基準  特許庁意匠課  特許庁 
4. 意匠法(第2版)  茶園成樹編  有斐閣 
5. 「意匠審査基準」 参考審判決例集  特許庁意匠課  https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/design/isyou_binran/document/index/isho-binran-fuzoku-a.pdf 
受講心得
 各回のテーマに沿って、特許庁の審査・審判の実務について裁判例をもとに解説する。裁判例の記載内容について議論し、特許庁や裁判所の判断手法を整理し、実務における対応策を議論することで、各テーマについてより実践的な理解を深める。
 授業において積極的な発言と意見を出して講義を進めるため、意匠法要論の講義内容を十分復習しておくこと。
各裁判例において問題となったテーマにつき、参考書1、2の該当箇所を確認すること。
 受講者は、必ず1回以上のテーマの報告発表を行うこととする。
 毎回、事前に次回以降の判決(必要に応じて審決)を配布する。
 講義後は、必ず復習して講義で習った条文とその要旨を自らで簡潔にまとめ、復習シートを提出すること。出席確認とこの復習シートの提出を持って、出席とみなすこととする。
 復習して簡潔にまとめた条文とその要旨について、誤解や不正確な理解が多く見られる点については、講義内で解説するので、理解に努め、不明点をなくしていくこと。(フィードバック)
 本科目は録画形式メディア授業【MR】対応です。 
オフィス
アワー
・土曜日2限(1号館9階伊藤研究室)
・講義に関する質問については、当該講義時間の前後で対応する。
・オフィスアワーについては、講義の後に適宜、質問、相談等対応いたします。また、学生からのアポイントに応じて適宜時間調整して対応します。
・受講生、既履修者による弁理士試験問題等の全ての知的財産権制度の不明な点の質問も受け付けます。 
実践的教育
【実践的教育】意匠審査・審判の経験を活かして、意匠法の基礎実務及び実践実務について判例等から講義する。