シラバス参照

科目名 特許法・実用新案法特論Ⅱ【MR】 
科目名(英字) Advanced Study of Patent Law and Utility Model Law 2 
ナンバリング MPCB02 
年次 1年次 
単位数
期間 後期 
担当者

北川 創(キタガワ ハジメ)




授業のねら
い・概要
 特許法における権利付与プロセスにおける手続には、大別して、①特許出願の審査、②審判、③特許異議申立、④審決等取消訴訟の4つがある。
 このうち件数が最も多いのは、①の特許出願の審査であり、それに比べると、②審判、③特許異議申立及び④審決等取消訴訟の件数は少ない。しかし、その重要性は非常に高い。なぜならば、②審判、③特許異議申立及び④審決等取消訴訟は、出願人や第三者が重要と考える特許出願や特許権について手続が行われることが多いためである。
 そこで、本科目では、審判制度(拒絶査定不服審判、訂正審判、特許無効審判等)と、特許異議申立制度、審決等取消訴訟制度について、実務家として実際の手続きをするに際して必要不可欠な知識を、特許法の第5章~第8章における関連規定等とその運用を含めて詳細に学ぶ。
 本講義の履修後には、これらの事項について企業や法律事務所等の実務者と対等に議論できるレベルにまで到達することをねらいとする。 
授業計画
テーマ 内容・方法等 予習/復習
第1回 審判と審決取消訴訟の概要

拒絶査定不服審判(1) 
特許法・実用新案法における各種審判制度と審決取消訴訟の全体像を学ぶ。
また、審査官による拒絶査定に対する不服申立制度である拒絶査定不服審判の概要を学ぶ。 
テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第2回 拒絶査定不服審判(2)  拒絶査定不服審判の不服申し立ての対象、審理対象、審決の種類、請求可能時期、請求人適格、手続きフローなどについて学ぶ  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第3回 拒絶査定不服審判(3)  拒絶査定不服審判の請求時の明細書等の補正と、「前置審査」における補正の取り扱いについて詳細に学ぶ  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第4回 拒絶査定不服審判(4)  拒絶査定不服審判における本案審理の手続について、審判官による補正の取り扱いも含めて学ぶ。  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第5回 拒絶査定不服審判(5)
訂正審判(1) 
・拒絶査定不服審判の審決に対する不服申立である審決取消訴訟について学ぶ。また審決の確定の概念について学ぶ。
・特許権者が特許の内容を変更する手続である訂正審判について、概要を学ぶ。 
テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第6回 訂正審判(2)  訂正審判について、訂正要件、訂正審判の請求可能時期、請求人適格、訂正の効果、訂正の請求単位と取り下げ単位、訂正審判の手続フローなどを学ぶ。  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第7回 訂正審判(3)  訂正審判の審判請求書、本案審理、審決などについて学ぶ。  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第8回 訂正審判(4)
特許無効審判(1) 
・訂正審判の審決取消訴訟や審決の部分確定について学ぶ。
・特許を無効にする手続である特許無効審判の概要(目的、無効理由)について学ぶ。 
テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第9回 特許無効審判(2)  特許無効審判の請求人適格、被請求人適格、請求可能時期・取り下げ可能時期、請求対象と請求単位、審決の効果について学ぶ  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第10回 特許無効審判(3)  審理手続きの基本構造、審判請求人の攻撃防御としての審判請求書、その記載要件などについて学ぶ。  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第11回 特許無効審判(4)  特許権者の攻撃防御方法としての答弁書と訂正請求について学ぶ  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第12回 特許無効審判(5)  審判請求人の攻撃防御方法としての弁駁書及び審判請求書の補正書について学ぶ。当事者双方の攻撃防御機会としての口頭審理について学ぶ。  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第13回 特許無効審判(6)  特許権者の攻撃防御機会としての審決予告制度、無効審判の審理の進め方、無効審判における職権審理について学ぶ。  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第14回 特許無効審判(7)
特許異議申立(1) 
・無効審判の審決に対する審決取消訴訟について学ぶ。無効審判の審決の「部分確定」について学ぶ。
・第三者が特許の取消を申し立てる制度である特許異議申立制度の概要を学ぶ 
テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。次回講義部分を事前に一読して分からない部分を把握し、まとめておくこと(予習)。(3時間) 
第15回 特許異議申立(2)  特許異議申立てについて、その手続きを詳細に学ぶ  テキストのうち授業後に難しいと感じた事項を熟読するともに、復習課題に解答すること(復習)。(3時間) 
到達目標
(1)特許法における拒絶査定不服審判の基本的な特徴について説明できる。
(2)拒絶査定不服審判の審決に対する取消訴訟の特徴について説明できる。
(3)訂正審判とその審決取消訴訟の特徴について説明できる。
(4)特許無効審判とその審決取消訴訟の特徴について説明できる。
(5)特許異議申立てとその決定取消訴訟の特徴について説明できる。 
評価方法
原則として授業の全範囲をカバーする期末レポートの点数(100%)に基づき評価する。ただし、授業回ごとに毎回課す課題の提出状況が悪い場合は、10%の範囲内で減点することがある。なお、毎回の課題の提出は当然の前提であり、毎回の課題を提出したからといって期末レポートの点数が合格点に到達しない場合に救済されることはない点に留意すること。 
成績評価
基準
到達目標(1)を達成していない場合は本科目の単位は取得できない(欠格条件)。
A:到達目標項目(1)を達成し、(2)~(5)を特に優れた成績で達成している。
B:到達目標項目(1)を達成し、(2)~(5)を優れた成績で達成している。
C:到達目標項目(1)を達成し、(2)~(5)を概ね妥当な成績で達成している。
D:到達目標項目(1)を達成し、(2)~(5)について、合格に必要な最低限度を満たして達成している。
F:上記以外 
教科書
書名 著者名 出版社名
1. 教員が作成した専用テキストを事前配布する     
参考書
書名 著者名 出版社名
1. 工業所有権法逐条解説  特許庁  特許庁HPより入手可能 
受講心得
●必要な事項は事前配布するテキストに詳細に記載し、必要な事項についての演習問題も多数掲載してあるので、テキストの次回講義部分を事前に一読することで予習とし、授業後に難しいと感じた事項を熟読することで復習とすること。また、理解が困難な事項や不明な点は、積極的に質問すること。
●すべての関連規定について講義中に説明する時間はないので、テキストに記載した関連規定については自ら法令集でよく確認すること。理解が困難な点は、積極的に質問すること。
●レポート課題において誤解や不正解が多かった点については、グーグルクラスにて解説するので各自確認し、理解を深めること。
●本科目は、同時双方向形式のメディア授業及び録画形式のメディア授業の対象です。 
オフィス
アワー
水曜日の4時限に研究室で対応する。 
実践的教育
【実践的教育】
特許庁において、特許及び実用新案の審査審判を担当していた教員が、その経験と知識を活かして、特許法及び実用新案法の基本から応用まで分かりやすく解説します。