シラバス参照

科目名 意匠法要論【MR】 
科目名(英字) Design Law 
ナンバリング MPCA03 
年次 1年次 
単位数
期間 前期 
担当者

山田 繁和(ヤマダ シゲカズ)




授業のねら
い・概要
 意匠制度は、製品のデザイン模倣から守り、企業活動を有利にするために利用されています。
 産業界では、意匠権を活用し、同じデザインや似たデザインを他社に使わせないことによって、製品ブランドや企業ブランドの構築にも役立てています。
 本講座では、意匠法に関し特許庁の意匠審査及び審判、判決をもとに主要条文の解釈と実務を学び、様々な事例から意匠権の活用方法や意匠制度の基礎を身につけ、企業実務における実践的な意匠制度とデザイン保護の手法を身につけることを目的とします。 
授業計画
テーマ 内容・方法等 予習/復習
第1回 ガイダンス
実社会でのデザイン模倣の実体と意匠制度の役割 
日本の製品のデザイン模倣被害と意匠制度の役割
産業界のデザイン保護と意匠制度の利用 
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第2回 意匠法が産業発達に果たす目的
(意匠の創作の奨励、意匠の産業発達への寄与) 
意匠制度の活用と産業界のデザイン戦略、意匠制度の目的
企業におけるデザイン戦略と意匠権の関係 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、身の回りにある製品が意匠権によって保護されている事例を探しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第3回 意匠審査・審判から見た意匠法が保護するデザインとは(意匠の定義、意匠の保護客体)  意匠法が守るデザインの条件(意匠法上の意匠の定義:物品、画像、建築物、内装)
製品デザインの全体意匠と部分意匠による保護、画像デザインの保護 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠法で保護できるデザインと保護できないデザインを考え、まとめておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第4回 意匠審査・審判から見た意匠の登録要件①(工業上利用することができる意匠)と意匠の認定  工業上利用することができる意匠とは
意匠法における物品と形態、意匠(製品デザイン)の要旨(特徴)とその認定、画像デザインの要旨(特徴)とその認定、建築物及び内装の要旨(特徴)とその認定 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠法でいう工業上利用することができる意匠とは何かを審査基準で確認する。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第5回 意匠審査・審判から見た意匠の登録要件②-1(新規性:世界で最も新しい意匠)と物品と形態の類否  製品デザインの新規性の判断主体と判断手法、意匠の類否判断(物品、画像、建築物の類否判断と形態の類否判断)  予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠が新しいかの判断者は誰かを審査基準を確認し、具体的な事例を自ら考えてまとめておく。また、物品の類否、形態の類否とは何かを審査基準を確認しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第6回 意匠審査・審判から見た意匠の登録要件②-2(部分意匠の新規性判断)部分意匠の認定と部分意匠の類否  部分意匠の意匠の認定手法、部分意匠の類否判断(部分の機能・用途、位置・大きさ・範囲、物品の類否と部分の形態の類否判断)  予習:前回の講義資料を事前に一読し、部分意匠の認定手法を審査基準を確認し、具体的な事例を自ら考えてまとめておく。また、物品の部分の機能や用途等の判断について審査基準を確認しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第7回 意匠審査・審判から見た意匠の登録要件③(創作非容易性:簡単に作り出せないこと)  製品デザインの創作非容易性の判断主体(当業者)と判断手法、創作非容易性判断の主な類型  予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠の創作非容易性判断の主体、創作非容易性の主な類型について、審査基準を確認しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第8回 方式審査及び意匠審査・審判から見た意匠登録出願①(意匠出願の願書記載と図面等、登録意匠の範囲)  登録後に権利範囲となる意匠出願の願書記載事項(意匠に係る物品と説明)、図面(正投影図法による基本6図)  予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠出願に必要な願書記載事項、図面等提出要件について、出願の手引きを確認しておく。また、正投影図法、斜投影図法、等角投影図法について、確認しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第9回 方式審査及び意匠審査・審判から見た意匠登録出願②(一意匠一出願(物品、画像、建築物)、組物(内装含む))  1通の意匠登録出願に記載できる1つの意匠とは(物品、画像、建築物、多意匠とは)
多意匠であっても1つの意匠と認められる組物の出願と権利範囲 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠法における物品の区分とは何か、組物とは何かを審査基準と出願の手引きを確認しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第10回 意匠審査・審判から見た意匠登録出願③(関連意匠、秘密意匠)  製品デザインをデザイン群で保護する関連意匠出願と権利に対する制限
製品のデザイン戦略とブランド構築に利用できる秘密意匠出願 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、関連意匠制度について、審査基準と特許庁HPの解説を確認しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第11回 方式審査及び意匠審査・審判から見た意匠登録出願④(特殊な出願(分割、特許からの変更、国際意匠出願))  意匠出願の分割、特許・実用新案からの変更、意匠から特許・実用新案への変更
ハーグ協定ジュネーブ改正協定に基づく国際意匠出願 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠の分割、変更等の特殊な出願方法とその条件について、審査基準を確認しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第12回 方式審査及び意匠審査・審判から見た意匠登録出願⑤(意匠の要旨の補正と補正却下、方式審査・実体審査への対応)  意匠出願の補正、修正や訂正ができること、補正却下とその対応
方式審査と意匠審査の内容(意匠の認定、先行意匠調査、判断、起案、査定) 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠の補正と補正却下について意匠審査基準を確認する。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第13回 判決から見た意匠権の実施
(意匠の製造とは、使用とは、譲渡とは、貸し渡しとは、輸出と輸入とは) 
意匠法における意匠の製造、使用、譲渡、貸し渡し、輸入、輸出に当たる行為とは
通常実施権と専用実施権、質権とは 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠法でいう「実施」について、逐条解説等で理解しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第14回 判決から見た意匠権の効力と侵害(直接侵害、間接侵害)  意匠権の及ぶ範囲と効力、存続期間と権利の更新
意匠権の直接侵害と間接侵害、侵害への対処 
予習:前回の講義資料を事前に一読し、意匠の実施を念頭に、自らはどのような行為が侵害となるかを整理しておく。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
第15回 意匠の審判実務と訴訟の手続と各国への手続  拒絶査定不服審判、登録無効審判、補正却下不服審判、出訴
主要国への意匠出願の手続と権利範囲 
予習:前回の審判制度、出訴の手続について、特許庁ホームページ等で確認する。
復習:講義資料を確認し、講義内容を復習シートにまとめ直す。(予習、復習で4時間) 
到達目標
意匠制度の実務における実践的知識を身につけ、.意匠法の保護対象となるデザインと基本的な意匠制度の活用方法を理解し、基本的な実務をすることができる。(ミニマム・リクワイアメント)
具体的には、意匠制度について、以下の基本的なことを修得する。
(1)意匠制度が果たす役割と意匠法が守るデザインの条件(意匠法上の意匠の定義)及び意匠の実務を理解する。
(2)意匠法上の工業上利用することができる意匠(意匠法第3条本文)の趣旨と実務を理解する。
(3)意匠法上の新規性の判断主体、類否判断手法及び創作非容易性の判断主体と主な類型を理解する。
(4)意匠出願の願書記載事項及び図面の記載要件と登録意匠の範囲について実務を理解する。
(5)特殊な意匠出願(秘密意匠、関連意匠、分割、変更)の趣旨と利用する実践方法を理解する。
(6)意匠審査への対処を理解する。
(7)意匠権の実施と効力、侵害について実務に必要な知識を身につける。
(8)意匠の審判及び主要各国の意匠制度の概要と実務を理解する。 
評価方法
・講義への出席80%以上を本科目の単位付与の条件とし、達成目標(1)~(8)の達成度の評価は提出された復習シートの内容、期末のレポートで評価する。
・期末のレポートの提出日、テーマ等については、提出の2週間前までに連絡する。
・復習シート40%、期末レポート60% 
成績評価
基準
意匠制度の実践実務に関し、実務上の基礎的な対応がとれるように理解しているかについて、各回の復習シート、期末レポートで評価し、それぞれ60%以上で合格とする。(ミニマム・リクワイアメント)
成績評価基準は以下の通りとする。
A:100~90点
B:89~80点
C:79~70点
D:69~60点
F:59~0点 
教科書
書名 著者名 出版社名
1. 配付資料     
2. 意匠審査基準  特許庁  特許庁 
3. 意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き  特許庁  特許庁 
4. 知的財産権法文集  不問  不問 
参考書
書名 著者名 出版社名
1. 工業所有権法(産業財産権法)逐条解説 第19版  特許庁編  発明推進協会 
受講心得
 優れたデザインは、製品コンセプト、技術、品質、サービス等の内容をわかりやすく視覚的に訴えることができるため、ブランド確立の重要な要素です。意匠制度はデザインを模倣から守り、ブランドの確立やデザインの戦略的活用を促す制度です。
 本講義は、特許庁の審査・審判実務や、企業における意匠制度の活用事例によって、主要な条文の実務を解説し、意匠法及び下位法令の知識と実務能力を身につけてもらうことが目的です。以下の点を留意してください。
・受講者は、特許法・実用新案法を理解・修得していることが望ましい。
・特許法を準用する条文や規定を確認し、特許法との違いを比較して講義を行う場合があります。
・講義後は、必ず復習して講義で習った条文とその要旨を自らで簡潔にまとめてください。レポート作成の時に役立ちます。
・正投影図法、等角投影図法、斜投影図法を高校までに習っていない受講者は、基礎的な図学について、調べて理解しておいてください。
・前年以前の履修者による復習のための聴講も受け付けます。
・各講義の復習でまとめたものやレポートの中で、誤解や不正解の多かった点については、講義内で解説するので、理解に努め、不明点をなくしていくこと。(フィードバックの実施) 
オフィス
アワー
・土曜日3限(1号館9階山田研究室)
・講義の後に適宜、質問、相談等対応いたします。
・また、学生からのアポイントに応じて適宜時間調整して対応します。
・受講生、既履修者による知的財産技能検定や弁理士試験問題で意匠だけでなく、知的財産権制度全ての不明な点の質問も受け付けます。 
実践的教育
【実践的教育】意匠審査・審判の経験を活かして、意匠法の基礎と応用、手続きや実践活用について講義する。